https://www.asahi.com/edu/center-exam/TKY201212230769.html 今春の秋田大医学科の一般入試は、定員80人に822人が志願し、86人が合格。
前期はセンター試験を550点、2次の英語・数学が各100点、面接200点の計950点で合否を判定。
この受験生はセンターが525.2点、2次の筆記は156点で、ここまでは9割以上の得点だった。
面接で117点以上なら、公表されている合格ラインの797.9点に届いていた。後期はセンターと小論文、面接だった。
受験生は「実力を出せた」と感じていたが、試験後に希望者に届けられた「入学試験成績」の面接の評価は前後期とも3段階で最も低い「C」。
Cは「満点の70%未満」で、家族が大学に情報公開を求めると、2度の面接とも0点と分かった。順位は黒塗りされていた。
受験生によると、前後期とも面接官は3人だった。前期の面接では最初に「食べ物は何が好き」と聞かれ、
驚いたが、思いついた「うなぎ」と答えた。「うなぎとあなごはどちらが好き」「うなぎです」
次いで、高卒認定を取るまでの経緯を聞かれ、中学の話から始め、病気のことも話したが、途中で話を打ち切られた。
その後は「秋田で生まれ育ったの?」などの質問があり、約15分で終わった。後期も高卒認定について聞かれた。
今度は簡潔に話した。ある面接官は「あなたが頭のいいことは分かりました」と話したという。
受験生の家族は「0点は欠席と同じ。落ち込んだ」。大学に理由を尋ね、評価基準の公開も求めたが、
大学は「入試の適正な遂行に支障を及ぼす」として、面接の得点分布も明らかにしていない。
秋田大医学部の入試要綱は面接について、「医師としてのコミュニケーション能力、科学・論理的思考、
医学への動機づけの強さ、勉学意欲」などを評価するとしている。
同大入試課は朝日新聞の取材に「個別の事案は答えられない」とし、「面接は、得点差の幅が大きくなる」と話した。
受験生は来春、他県の国立大を受けるつもりだ。「心の傷もありますが、次の入試に集中する。
ただ、高卒認定や病気が理由の0点なら、これからも同じ思いをする人が出るかもしれない。基準を明らかにしてほしい」と話した。